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さらっと次の備忘録にいこうと思っていましたが、当クリニックのストロングポイントでもあり、多くの患者さんが悩んでいるところでもあるので、「歯の根の治療」に関してはもうちょっと書こうかな?書かなければいけないかなと思いましてもう一ブログ。
当クリニックに歯の根の治療いわゆる「根管治療」でお越しいただく方は、治療全体の35~40%、虫歯の治療のダイレクトボンディングも同じくらいなので、70~80%は歯を保存する(歯を残す)治療です。しかし、以前もお話したように何でもかんでも残せる訳ではなく、また全てが患者さんが希望された治療で行うわけはありません。私が長年勉強してきたこと、先達から学んだ知識と経験を基に診査診断をしてその結果を基に治療法を考えます。なので、場合によっては抜歯を進めることもあります。しかし、根拠のない雰囲気とか勘でそのよう診断結果をを言うことはありません。もちろん、根拠となることをちゃんとご説明しますのでご心配なく。その中で私が出来る事と言えばやはり歯を残すことになります。
根管治療に関しては、神経を初めて取る治療の抜髄より再治療・再々治療という方が圧倒的に多くいらっしゃいます。
全国的にみればこんな統計もあります。
一般的には保険診療で行われている根管治療ですが、推計ではありますが全国で1年間に14,180,448本根管治療が行われており、その半分以上が再治療(厳密には1回目の治療も混ざるのですが、今回のデータからはそこの区別は出来ないので)ということが分かります。
まあ、いろいろ思うところはありますが、自分自身は自分が行った治療の後に再治療・再々治療にならないようにと毎回ベストを目指した治療を行っています。
さて、今回の患者さんは、以前の治療のあと10年以上経過しているのですが、急に痛みが出てきたとのこと。
レントゲン写真的にも後ろの根のほうを中心に病気が出来ているのが分かります。また、以前の治療では神経を一部取っていますが、大部分を残すための治療を行っております。それがある程度うまくいっていたので10年以上持ったのかもしれませんね。ただ、いざ今回治療をしようとするとその以前の治療の影響もあって神経管がかなり細くなっていました。マイクロスコープ(顕微鏡)を覗きながら丁寧に削っていくと最初は穴の入り口のようなところがちょっと見えてくるぐらいですが、秘密兵器を使うとこんな感じで根の先端まで穿通し、細菌感染している神経管をきれいにすることが出来ます。
そして、徹底的にきれいにして神経管を封鎖するとこのような感じになります。
先日治療終了後6ヶ月の検査を行った結果、症状もなくレントゲン的にもその他診査でも問題ありませんでしたのでかぶせ物の治療に移行することにしました。
全国的には再治療・再々治療が多い訳ですが、私の今回の根管治療が患者様には最後の治療になればと願っています(治療費はコチラをhttp://www.taka-dental-clinic.com/参考にしていただければ幸いです)。
さて、歯の根の病気で悩んでいる方は、コロナに関係なく多くいらっしゃると思います。治療を控えることで歯を保存可能とする時期を逸するかもしれませんので、早めにご相談いただければ幸いです。もちろん、感染予防対策はしっかりしていますので。
7月も後半戦になりますが、どうぞよろしくお願い致します。
院長 佐藤