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精密根管治療

seimitu

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を用いて根管治療に取り組んでいます

歯の神経を取る治療や根の病気の治療は根管治療と言い、歯科において一般的な治療で、歯を長期的に残すうえでとても重要な治療になります。しかし、日本においてはその成功率は決して高くはありません。その治療を世界の先進国と比較すると日本の歯科医師の成功率は、ワースト1位という不名誉な称号を与えられています。このように今まで日本においては適切な根管治療が行われていなかったことがわかります。しかし、残念ながら今現在もこのことに気付きグローバルスタンダード(世界基準)の治療を行っている歯科医師は日本全体の数%にしか過ぎず、まだまだ原始的な治療しか行われていないのが現状です。

根管治療は歯の中にある極々細い神経管の治療です。この神経管は、細いだけでなく、弯曲していたり複雑に枝分かれしていたりします。
実際は模式図のようなは歯は無く、複雑な形をしています。

左下6 5根管+また、奥歯などは1つの歯に神経管が4本・5本と複数あり、その全てにおいて完全な治療を行わなくてはいけません。しかし、日本のほとんどの歯科医師は、神経管の状況を分からずに手探りで自身の経験や勘を頼りに治療を行っているのが現状です。このような状態ですので、結果治療が不十分で再発を繰り返すことが多々あるのです。このことは、「治療したばっかりなのに調子が悪い、治した時は良かったのに少ししたら症状がぶり返してきた」など患者さん自身の経験からもわかるのではないでしょうか。

当クリニックでは、県内に数台しか無いマイクロスコープを使い治療に取り組んでいます。

 

当クリニックでは、成功率が高く、長期性のある結果を求めて平成20年よりマイクロスコープ(手術用実体顕微鏡)を用いて治療を行っております。マイクロスコープを用いた治療の利点は何かと問われると一にも二にも無く「しっかり見える!」ということです。

当たり前のことと思われますが、裸眼で行われる根管治療は正直まったく見えません。全ては歯科医師の経験や感覚や勘に頼った治療です。マイクロスコープを用いた治療は、バイ菌の感染箇所やその他異常箇所をしっかり見ることが出来るので、それに対して適切な処置を施すことが出来る治療です。裸眼(1倍)に対してマイクロスコープ(通常の治療時は約13.6倍に拡大)で得られる視覚の情報量は13.6の2乗すなわち約185倍と言われておりますので、マイクロスコープを使いこなせばその結果に差が出るのは必然と言えます。

 

当クリニックでのマイクロスコープを用いた根管治療の治療件数は延べ3,372件(平成24年11月27日現在)、成功率(症状が消失し、再発および再発傾向が見られない)は98%です。日本の歯科医師の平均的な成功率が50~60%と言われていますので、遥かに良好な結果が得られています(※まだ5年程度の結果ですので、今後も経過を追っていきたいと思います)。

これらの結果を踏まえて皆さんは、どちらの治療を希望されますか?

歯の根の治療

歯の根の病気は、虫歯が進行し歯の神経を腐敗させ細菌が増殖すると歯の根の先に病巣を作ります。普段は特に症状は無くても風邪や睡眠不足や疲れなど免疫力の低下に伴い、痛みや腫れの症状が発現してきます。

 

この治療において大切なことは、細菌をコントロールすることです。
お口に中には無数の細菌が存在しており、治療において唾液やその他お口の中に治療器具や手指が接触することにより細菌が感染し、治療部位の細菌がなかなか除去されないということがおきてきます。そのため、治療において必要なことは治療部位とその他の部位を隔離することです。
その方法が図1に示すラバーダム防湿です。

ラバーダムとは薄いゴムの膜で、治療部位にかけるクリップと同時に使用することで、唾液の浸入を防御することが出来ます。これが、治療においてのベストな準備です。
次に、レントゲン写真の見かたです。私たち歯科医師がレントゲン写真を見て、「良い根の治療だな」と思うポイントは、歯の根の詰め物(レントゲン写真上では根の中に白い線状のものが見えます)が「a.根の先まで、b.密度濃く、c.均一に入っているもの」です。
ただし、歯の状態によってはabcが揃わないこともあります。
これを参考に以下の症例を見ていただき、病巣の消失を確認していただければと思います。

歯の根の治療 症例1

初診時

右下の奥歯の痛みと腫れを主訴に来院された患者様です。右図に示すように大きな病巣を作っており、また歯周病との関連性もあったので保存はかなり難しい状態でした。しかし、患者様の強い希望もあり、先ずは可能な限り保存に努めることにしました。



終了時

痛みもでず、膿もすぐ出なくなり、腫れもすぐ引いたので、治療自体は3回ほどで終わりました。しかし、病巣はかなり大きく治癒したかどうかは半信半疑なところもありましたので、その後経過観察をすることにしました。

 

 

1年後

治療終了から1年後の定期検診で病巣はほとんど消えていました。治療後は1度も症状は出ていないとのことでしたので、順調に回復しているのではないかと思われます。多くの歯科医師は抜歯を選択したであろう症例ですが、何とか残すことができました。

 

 

歯の根の治療 症例2

初診時

左下の歯肉の腫れと痛みを主訴に来院された患者様です。レントゲン写真を確認すると何やら根の先から飛び出ているものや根の股際の骨が溶けていることが確認されました。保存はかなり難しいことを患者様に伝えましたが、何とか残して欲しいと強い希望がありましたので、チャレンジすることにしました。

 

 

ファイル除去後

根管の中は、感染物質で一杯でさらに以前の治療で折れたと思われるファイルが中に残留していました。裸眼での治療を思われますので、折れたことに気が付かなかったのかもしれません。また、歯の股際には大きな穴も開いていました。先ずは全ての悪いところをしっかり取ってきれいにしました。

 

 

破折ファイル

このような物が根管の中に残留していました。

 

 

術後3ヶ月

全ての治療が終わって3ヶ月経過したところです。現在のところ痛みや腫れは無く順調に経過しております。また、歯の股際の溶けてしまった骨も若干再生してきたように見えます。今後も経過を追っていきたいと思います。

 

 

歯の根の治療 症例3

初診時

左上奥歯の違和感を主訴に来院された患者様です。レントゲン写真を確認すると3本ある根の1本の治療が不十分のようで、そこが原因ではないかと思われましたので、治療を開始しました。

 

 

終了時

この歯は、根は3本でしたが根管(神経の通り道)は4本あり、4本目が未治療でした。現在マイクロスコープを使っての治療においてこの歯の根管数は約90%が4本であることが通説になっていますが、裸眼で4本目を見つけることは不可能と思われます。
未治療の部位もしっかり治療することができ、違和感もとれ現在は全く問題ない状態とのことでした。

 

 

歯の根の治療 症例4

右下の前から4番目の歯が虫歯になり根に大きな病気を作っています(線で囲まれたところです)。細菌が骨を溶かし、ここに細菌の病巣を作っています。

歯の根の治療を2回行い、根の先から膿が出てこないことを確認しました。その後、細菌が根の先に入らないように詰め物をしました。(根の中に白く写っているところです)

歯の根の治療が終了して10ヶ月たったところです。細菌により骨が溶けたところに新しい骨が再生しており回復しています。

歯の根の治療 症例5

左下の1番奥の歯の根の先に大きな病気を作っています。病巣が大きく、歯周病も併発していたので、複数のドクターに相談したところ予後を考えると芳しくないのではないかという理由で皆に抜歯を勧められた症例です。この歯を抜歯してしまうと前の歯もないことから義歯またはインプラントの治療が必要になってしまうことから患者さんと相談の結果、可能な限り保存に努めるということとなり治療を開始しました。

根の治療は予想通り困難を極め、なかなか根からの膿が止まりませんでした。いろいろな方法を行いながら1ヶ月後に終了の詰め物を行うことが出来ました。終了時のレントゲン写真では根の病気はほとんど消失しているように見えます。

根の治療後2年です。再発も見られず、その後のかぶせ物も状態良く入っています。同様に歯周病の経過も良く、歯肉も安定しています。患者さんは『今では問題なく何でも咬める』と喜んでいただいており、あの時抜歯していたらこのような結果にはなっていないだろうなと思わせる症例でした。

歯の根の治療 症例6

右下の前から4番目の歯の根の先に病気を作っています。先に述べた歯の詰め物が「根の先まで、密度濃く、均一に入っている」が残念ながら揃っていません。その結果、根に病巣を作ったものと思われます。患者さんからは、『かぶせ物を入れた直後から痛むほどではないが違和感があった』というお話をいただきました。

歯の根の治療を2回行い、根の先から膿が出てこないことを確認し詰め物をしました。詰め物はabcが揃っており、問題は認められません。まだ根の先に病巣が残っているように思われますが、中の細菌を叩くことができれば、溶けた骨は再生してきます。

歯の根の治療後7ヶ月です。根の先の骨が徐々に再生してきており、再発は認められません。咬んだ時の痛みや違和感もなく、気兼ねなく食事をしていただいています。

タウン誌のヴィヴィット 2009年1月号でも精密治療について取材を受けました。(PDFでご覧いただけます。)

重要なお知らせ

平成23年5月6日より当クリニックでの根管治療(歯の神経を取る治療、歯の根の治療)は自費診療になりました。

最良の治療を保険診療で行なえないかとここ数年試行錯誤してきましたが、根管治療を精度高く行うためには、薬品・材料・テクニック・時間の全ての要素において保険診療のルールの中で行うには限界があることがわかりました。
このまま、まあまあの治療を提供するという選択肢もありましたが、多くの患者様からより良い治療を受けたい、質の高い治療を受けたい、治したならば長く維持させたいなど根管治療を自費診療に変更することへの好意的なご意見を多くいただきました。
そのため、苦渋の選択ではあるのですが、自費診療に切り替えさせていただくことになりました。どうぞ御了承下さい。